設立趣意

設立趣意

2022年4月16日

各 位

海ごみから革新的な社会を考える会 代表
小木曽 順務

研究会設立のご案内
~ 海ごみから革新的な社会を考える会 ~

設立趣意

 小学生が海ごみ問題で「海の豊かさを守ろう/SDGs」を学んでいる。昨年は軽石で巡視船が運航停止し、環境省は海洋プラスチックシート流布調査で、金華山沖の水深 15 メートル以内に集中していることを確認している。今後、この汚染エリアが北海道から沖縄に至る日本の主要港湾の入り口に拡がると、輸出入の 95%を支える外航・内航の船舶運航管理に由々しき事態が起きると想定できるが、未だ各省庁は調査報告だけで改善に向けた兆しはない。
 脱炭素社会に向け「なぜ、海洋プラの改善策が講じられないのか?」、海事振興連盟発刊の『うみ』に名を連ねる衆参両議員や省庁担当者に面談すれば、海事業務には暗く、汚染がもたらす経済危機は見えず、結果、危機管理の体制ができてない。12 月 27 日斉藤国交大臣は新環境行動計画の実現に向け「かけがいのない地球環境を将来世代に引き継ぐことは我々の責務、よって、産業界と連携を強化し総力を挙げて創意工夫して欲しい」と省幹部に指示したが、この海ごみ問題だけは省庁がこの危機管理を支える静脈のシステムづくりに向き合い、異分野の産業界を技術連携させることで解決できる。
 解決策は、黄金律の精神で省庁と港湾・海事の有識者と石油・化学の再資源化技術者と専門学者が連携し、回収費を捻出する海の静脈システムの考案である。この施策づくりの入口は、官民連携で廃プラ油化技術を引用した静脈システムを、現カーボン・ニュートラルポート事業に組込むまでの FS (フィジビリティ・スタディ)調査である。この FS 調査の必要性を立証するためにも、先ずは準備段階として有志が集う研究会が必要である。よって令和 4 年 4 月、産学官と学生が参加できる研究会「海ごみから革新的な社会モデルを考える会」(Party of Ocean Green Innovative SOciety)を設立する。
 目的は、海事業界の課題を解決するための静脈システムづくりの整合性を参加者の技術調査から立証し、またブロック別に調査資料を基に再生原料化システムの中で生まれる収益を回収と地方振興と日本人船員育成の資金として活用できるまでの革新的な社会モデルを、全国のリサイクルポート(22 港)を抱える経済界に案内し支援を頂くことである。

課 題
  1. 内航船・外航船業界は港湾における船内廃棄物の受入に関するガイドラインが整備できていない。
  2. 海事業界は、推測 3,000 トン/年以上の廃ホーサー(船舶係留索)を焼却処分しているが、ケミカル・マテリアルリサイクル技術に繋ぐ必要がある。この静脈システムに回収した海洋プラ(10 万トン/年)を取り込む。
  3. 「JISL2707-1992 ポリエステルロープに再生材料は使用してはならない」がある。プラスチック資源循環促進法の下、化繊業界の支援を得て JIS を改正し、生産者をグリーン購入法に載せた認定製品設計づくりに転針させ、広域認定事業へと繋ぎ、ホーサーの完全循環の輪を構築する必要がある。
  4. 50 年前の日本経済は日本人船員が支え、今日は外国人船員に支えられているが、今後は内航船・外航船業界で危機管理業務に対処できる日本人船員と海事従事者の養成が必要である。
  5. 水質総量規制を受ける伊勢湾は 3 県 1 市の伊勢湾再生会議で協議し、瀬戸内海は 5 県で協議し、大阪湾は関西広域連合(2府 4 県)で協議しているが、未だ海洋プラ問題を改善する兆しはない。
  6. 全国ブロックで、海ごみの回収費が拠出できる海岸清掃事業へと転針させる必要がある。

※広域認定事業とは、商品販売時に回収費用を含む事業である。(令和 3 年 10 月現在 300 号認可)

以 上

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